熱中症について
2018.5.3
熱中症は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内でも何もしていない時でも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。
症状は個々によってちがって来ます。下記に熱中症の症状と重症度分類をごらんください。
分類 | 症状 | 症状から見た診断 |
Ⅰ度 | めまい・失神 「立ちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不十分になったことを示し、 ”熱失神”と呼ぶこともあります。 筋肉痛・筋肉の硬直 筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴います。 発刊に伴う塩分(ナトリウムなど)の欠乏により生じます。 手足のしびれ・気分の不快 |
熱ストレス(総称) 熱失神 熱けいれん |
Ⅱ度 | 頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感 体がぐったりする、力が入らないなどがあり 「いつもと様子が違う」程度のごく軽い認識障害を認めることがあります。 |
熱疲労 (熱ひはい) |
Ⅲ度 | Ⅱ度の症状に加え、 意識障害・けいれん・手足の運動障害 呼びかけや刺激への反応がおかしい、 体にガクガクとひきつけがある(全身のけいれん)、真直ぐ走れない・歩けないなど。 高体温 体に触ると熱いという感触です。 肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害 これらは、医療機関で採血により判明します。 |
熱射病 |
表:熱中症の症状と重症度分類(日本救急医学会熱中症ガイドライン2015
●熱中症予防には
まず暑さを避ける事とこまめに水分を補給することです。
A 暑さを避ける
1)室内では
①扇風機やエアコンで温度調節。
②遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用する。
③室温をこまめに確認する。
④WBGT値も参考にする
2)外出時には
①日傘や帽子の着用
②日陰の利用、こまめな休憩
③暑い日は、日中の外出をできるだけ控える。
B こまめに水分を補給する
室内でも、外出時でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分、経口補水液などを補給する。
●治療
症状が認められたら、投薬治療や脱水症状があれば点滴治療を必要としますので、当院にご来院ください。